村上智彦さんの『最強の地域医療』を拝読しました。
●当時、日本で一番高齢者の医療費が高かった北海道瀬棚町(せたなちょう)の医療改革、
●財政が破たんした夕張市(ゆうばりし)の地域医療、
●そして、自身の急性骨髄性白血病の闘病経験
などを力強く書いた絶筆です。
●病院は治療を優先するあまり、栄養面でのサポートが弱い。高齢者にとって、低栄養は癌よりも脂肪率を高める。もっと食事を楽しく、美味しくすべき。
●今までの医者は死を敗北とする技術職であったが、これからは死を必然と認めて天寿を全うさせるサービス職となるべき
●医療費が高額になっている原因の一つは、医療機関が多すぎる。
などという主張も、豊富なデータと実践がある分、説得力があります。
一方、瀬棚町や夕張市が、病院中心の医療から、予防医療・訪問医療に変わった、あるいは変わらざるを得なかったときに、どのような過程や葛藤があり、どう乗り越えたのか。医師以外の人がどう関わったのか、そこについては、ほとんど触れられていなかったので、そこのところをもっと知りたくなりました。
また、この本では、夕張の”たかり”体質を鋭く批判しますが、村上医師が離れたあとに、夕張の医療がどうなったのかも知りたくなりました。
主張がはっきりしているので、考えるきっかけになる本です。
もう少し知りたい!
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