(「英国ニュースダイジェスト」の筆者コラム「英国メディアを読み解く」に補足しました。)
「オックスファム」といえば、英国では大変なじみがある非営利組織・慈善(チャリティー)団体の一つです。街角のあちこちにはオックスファムが運営するチャリティー・ショップがありますし、貧困撲滅を掲げて世界各国で人道支援活動に取り組んでいることもよく知られています。
そんなオックスファムは今年2月、スキャンダルに大揺れとなりました。ほかの慈善団体も批判の的になりました。
でも、慈善団体の意義が減じたわけではありません。英国で慈善団体が立ちあがっていった経緯を振り返りましょう。
スキャンダル、発覚
2月9日、オックスファムの職員の一部が、2010年に大地震に見舞われたハイチで地元女性らを買春していたと英「タイムズ」紙が暴露報道しました。オックスファムによる内部調査報告書(2011年)によると、性的搾取、ポルノ画像のダウンロード、いじめ、威嚇行為があったとして4人が解雇され、3人が辞職。このとき、オックスファムは英国の慈善組織の活動を監督する「チャリティー委員会」に詳細を報告していませんでした。
タイムズ紙側はオックスファムが事実を「隠ぺいしていた」と主張しました。オックスファムの親善大使として活動をしていた著名人らがその役割を次々と返上していきます。同団体への寄付金登録も7000件以上キャンセルされました
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