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がんプレシジョン医療:入門②

経済ニュース
親から子へ受け継がれる遺伝子多型で、がん治療に関係するものも当然
ある。有効性に関連するものとしては、乳がんの治療薬タモキシフェンと薬剤代謝酵素CYP2D6がある。これに関する研究は、相対する研究結果が多数発表されたが、結果的には、質の悪い研究がいかに真実を捻じ曲げるかを明らかにした点で、科学史として残す価値があるくらいのものだ。関連拙稿:間違い論文による患者の不利益
乳がんの80%程度は、その細胞の増殖に女性ホルモンが重要な役割を果たしている。女性ホルモンがその受容体と結合すると、細胞が増殖(分裂)する命令を出す。タモキシフェンは、ホルモン受容体に結合して、受容体の有する増殖刺激を抑え込む性質を持っている。しかし、これだけでは、この薬剤の働く仕組みは十分ではない。患者さん自身の肝臓の中で、タモキシフェンが、CYP2D6という酵素によって変化を受けてエンドキシフェンと呼ばれる物質に変化を受けて(下図参照)、初めて薬剤としての効果を発揮する。タモキシフェンとエンドキシフェンでは、受容体に結合する力が100倍違う(エンドキシフェンのほうが高い)。
したがって、エンドキシフェンを効率よく作ることができない患者さんは、タモキシフェンを服用しても効果が不十分となる。タモキシフェン治療だけを受けている乳がん患者さんで比較すると、この酵素の働きは低い/ない患者さんでは、死亡率が有意に高かった。

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