横浜の日産本社(写真AC:編集部)
国土交通省は「完成車検査」の工程に、無資格の作業者が混じっていた点が違法だとして日産を摘発したが、同じ様な規則違反が明らかになったスバルと合わせるとリコールが160万台を超える事態に発展した。
この事件に飛びついたマスコミは一斉に日産を非難し、中には品質基準を改竄した神鋼と規制の手順違反の日産を同次元に並べ「神鋼、日産…不祥事に歯止めがかからない」とか「無資格者の検査による精度は疑問がある」等と無責任な憶測報道が氾濫した。
一方海外では、「完成車の点検は日本国内車に限り適用される規制」だと嘲笑気味に報道されても、日本では殆んど報道されず、吉川賢一氏(注1)の的確は技術解説や、井上久男氏(注2)の本質を突いた記事などは例外であった。
かく言う私も「無資格者が検査していても、輸出車の出荷はOKだ」と言う事実は、井上氏のレポートを読んで初めて知った。
それだけではない。国交省が根拠法とする「完成検査実施規程」(注3)は、規定その物が曖昧で、恣意判断なしには運用出来ない代物である。
この種の粗雑で合理性を欠いた規定で、国民と企業が大被害を受けた事例は他に多々見られる。
その一つは、国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造したとして、昨年初頭に厚労省に摘発され、110日間の業務停止と言う製薬企業最大の行政処分を受けた化血研事件である。
この時も、同じ製法で
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