無人配送も始まった中国EC市場、日本よりも先を行くJD.comのラストワンマイル戦略
ネット通販のスタートからわずか12年で流通額約15兆円(日本円ベース、元ベースでは9392億人民元)のECマーケット(メインは直販)を作ったJD.com(京東商城)。稼いだ資金をフルフィルメントやR&D(研究開発)などに投じ、急成長を遂げている。JD.comが近年取り組んでいるラストワンマイルの“省人化”“無人化”への取り組みを取材した。
大学内で「無人カート」を活用した配送
大型物流倉庫は中国国内で335か所、配送拠点は6905か所、ピックアップステーションを2691の町に設置(2017年6月末時点)。フルフィルメントの自前化・網羅性が重要と考えているJD.comは、中国全土にわる渡る物流ネットワークを自社で構築している。
自前で築いた物流ネットワークで、広大な面積を誇る中国の99%をカバー。「2017年以内には100%に達する」(劉強東CEO)と言う。スピード配送も重要視し、92%以上の荷物は当日もしくは翌日配送する。
物流施設や配送拠点を拡充すると同時に、近年注力しているのがラストワンマイルの“省人化”“無人化”だ。
2017年にリリースした宅配用の「無人カート」。無人のカートが中国人民大学の構内を駆け回る風景は、いまや学生に取っては当たり前となっている。
「無人カート」が担うのは、JD.comで購入された商品を大学内にいる学生に届けること。普段学内に
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