村上世彰『生涯投資家』を拝読。
「コーポレートガバナンスの浸透と徹底」という一貫した主張、
そして、当時のやり取りが、実名で、詳細に描かれていて、とても読み応えがある本。
上場する(go public)ということは、誰でも市場で株式を購入できる状態になるということで、内部留保や利益は積極的に株主に還元するか、新たな投資に充てるべき(それが嫌ならば上場しなければいい)
というのはとても分かりやすい主張で、よく理解できるのですが、一方でこんな疑問も浮かびます。
1)利益を株主だけに還元するのは、おかしくないか。企業が公害や法令違反を犯し、その企業だけで負担できないときは、結局、さまざまな形で地域や自治体、国などが負担しなければならないが、株主は有限責任である。(一定の内部留保や地域貢献も必要ではないか。)
2)日本の経済が停滞していることは、資本の循環が少ないことが原因ではなく、そもそも新しくて本質的な起業や創業が少ないことが原因ではないか。(資本の循環が少ないことは結果ではないか。)
3)甲南大学の加護野忠男先生が言うように、株主への説明責任を重視するあまり、事前の合理性を追求してしまうと、結局、イノベーションを奪ってしまうことにつながるのではないか。
→詳しくは、こちら。
いずれにせよ、とても読み応えがある本なのでぜひ。
もっと知りたい!
● 合理性を求めて衰退する!?
●億の
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村上世彰『生涯投資家』
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