核科学者、技術者らの祝賀講演会に出席した金正恩氏(朝鮮中央通信より引用:編集部)
小野寺大臣が、北朝鮮は核保有国としての能力を持っている、と発言した。その一方で、日本としては北朝鮮の核保有を容認することはできない、という立場を明言した。率直な言い方であり、妥当だと思う。
現状認識として、核開発がここまで進んでしまっては、北朝鮮に核廃棄をさせるのは困難である。巷では、軍事的圧力だけではなく外交交渉を進めろ、といった抽象的主張が横行しているが、外交交渉をするのは簡単ではない。在韓米軍の撤退くらいの手土産を用意するのであれば、話は別だ。だが北朝鮮に譲歩する形で撤退したら、朝鮮半島の力学に大きな転機をもたらし、新たな問題を引き起こすことが懸念される。
小野寺防衛相が述べているように、北朝鮮が核武装をしていること自体は、もはや一つの事実である。したがって、米国とその同盟諸国が抑止効果を狙った対策をとっていること、北朝鮮がすでに抑止効果を持つ手段を保有したと自負していることは、すでに発生した事実のことである。北朝鮮に対する抑止策とは、現在すでに存在している仕組みのことなのである。ただ、抑止策だけで、実験・開発を止めさせることはできない、ということだ。
この状態は、次のいずれかが実現するまで、続くだろう。何らかの状況の変化による劇的な外交交渉の進展、北朝鮮における体制転換、戦争の勃発、のいずれか
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北朝鮮問題に特効薬はない
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