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【映画評】ヒトラーへの285枚の葉書

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=p9Tzr7hD8rA?feature=oembed&w=500&h=281]
1940年6月、戦勝ムードに沸くベルリンで慎ましく暮らす労働者階級の夫婦、オットーとアンナのもとに、最愛の一人息子ハンスの戦死の報が届く。夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ある日、オットーはペンを取り「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とヒトラーへの怒りのメッセージをポストカードに記し、それをそっと街中に置いた。街のあちこちにポストカードを置くささやかな活動は、二人の魂を少しずつ解放させていくが、やがて、ゲシュタポの捜査が二人に迫る…。
ペンと葉書でナチス政権に抗った平凡な夫婦の実話を描く「ヒトラーへの285枚の葉書」。原作はドイツ人作家ハンス・ファラダの小説「ベルリンに一人死す」だ。最愛の一人息子の戦死をきっかけに反ナチの運動を始めた夫婦の運動は、あまりにもささやかなものだ。だがオットーは、筆跡を変え、指紋も残らないようにするなど、かなり周到で、抗議文を書いて街に置く、地味だが危険な行為を長期に渡って続けていく。この間、夫妻が住む団地内での密告騒ぎや、夫妻を追い詰める捜査官の警部の心の揺れ、ナチス高官の理不尽な暴挙などが描かれる。やがて、思いがけない出来事から事態が急変していく。一種のサス

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