東京の雑誌編集者から、「習近平への権力集中はもはや文化大革命の再来と言われている」と聞かされた。
15日に閉幕した全国人民代表大会を含め、日本での報道は「党中央の核心」と権威づけられた習近平を毛沢東と重ね、その集権的、強権的な政治手法を文革に結びつけることで、中国脅威論を煽っているのだろうか。籠の中に閉じこもっていると、妄想ばかりが膨らんでいく。視野が狭まっていることさえ自覚ができなかれば、かなりの末期症状だ。
まずは文革(1966-76)が起きた国際・国内の情勢を振り返る必要がある。
当時、米国によるベトナムへの空爆で中国は資本主義化の危機感を募らせ、一方、フルシチョフのスターリン批判を契機とするソ連との対立で、国際共産主義運動の主導権争いも激化した。米ソの両大国を敵に回した絶体絶命の危機だった。国内は戦争に備え、大都市には防空壕が掘られ、沿海部の軍需・重工業拠点は内陸部に移された。海外との交流は厳しく制限され、事実上の鎖国状態だった。
これに毛沢東の主導する権力闘争が結びついて文革は起きた。全国民が毛沢東語録を手にし、神のようにあがめる個人崇拝が極限にまで達した。伝統文化は破壊され、それに毛沢東思想が取って代わった。疑似戦時体制のもと、法が踏みにじられ、人権ばかりが多数の人命が犠牲となった。
では今はどうか。
メディアは米中の対立と衝突ばかりに目を向けるが、50年前との比較に
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習近平の中国は文革時代に近づいているのか ?
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