写真は向谷匡史氏。ブログより。
読者の皆さまは、子どもから「差別をするってどういうこと?」と聞かれたらどのように答えるだろうか。奴隷や人種差別、さらにインドのカースト制度を持ち出すまでもなく、悲しいかな、人類は“差別”の歴史でもある。そこまで大上段に振りかざさなくても、日常においても差別は常についてまわるものだ。
このような質問に対して、分かりやすい回答があるので紹介したい。『考える力を育てる 子どもの「なぜ」の答え方』の著者であり、浄土真宗本願寺派僧侶、保護司、日本空手道「昇空館」館長も務める、向谷匡史(以下、向谷氏)の見解である。
■差別をする人は「弱い心の持ち主」
――まず、子どもたちには、大人がいだくような意味での「差別意識」はない。あったとしても、それを差別だとは認識できていない。無邪気なだけに、かえって残酷とも言える。
「子どもは比較。すなわち“優劣”で人を判断します。足が速い遅いといったことから、勉強ができるできない、背が高い低い、歌がうまいヘタ、さらに貧富といった比較を通じて、自分より劣っていると思う者に対して、優越感を持ちます。大人もこのことは同じですが、子どもは差別意識がないぶんだけ感情をストレートにあらわします。」(向谷氏)
「結果的に、相手の心を傷つけてしまいます。私の道場でも、運動神経が鈍く、不器用な子が演武すると、それを見て笑う子がいます。悪気はないので
コメント