小野章昌 エネルギーコンサルタント
上より続く。
(3) 再エネ拡大で過剰設備が避けられない
本レポートには重要な情報がグラフで示されている。太陽光・風力の設備量(kW)がその国の平均需要量(kW)の1.5倍近くまで増えても、バックアップ電源は従来通り必要であり、在来型電源は太陽光・風力に代替されることもなく、従来通りに残っていることである(下記図4、図5参照)。残念ながらグラフのみで示しているため、数値を読み取る必要があるが、EU、日本いずれにおいても全体の発電設備量(kW)が平均需要(kW)の約3.4倍という膨大な設備量になることが示されている。
図4・EUの発電設備量
注)左から風力1.0倍、太陽光0.5倍、安定供給可能な再エネ(水力、バイオ、地熱)0.7倍、原子力+CCS付き火力0.35倍、CCSなしの火力0.85倍(いずれも数字は筆者がグラフから読み取ったもの)。CCSは炭酸ガス回収・貯留のこと。
図5・日本の発電設備量
注)左から風力0.35倍、太陽光1.0倍、安定供給可能な再エネ(水力、バイオ、地熱)0.85倍、原子力+CCS付き火力0.45倍、CCSなしの火力0.75倍
筆者(小野)検証:これらのグラフは大変重要なことを示している。つまり太陽光・風力の設備を需要量の1.5倍近くに増やしても、安定供給のためには既存の電源の存在が不可欠で
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IEAの分析から見る太陽光・風力発電の限界・下
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