産業組織論を援用したマイケル E. ポーターの「ファイブ・フォース」モデルは外部環境に重きを置いた戦略論であったが、1980年代後半から90年代初めにかけて現れたコア・コンピタンス論、ケイパビリティ論は企業内部にこそ競争優位は存在する、というものであった。本稿で論じられている「リソース・ベースト・ビュー」(RBV)はこの対極にある2つのアプローチを結びつけるものだ。企業固有の資源やコンピタンスの重要性を認識する一方で、これを競争環境のなかに位置づけるのである。シャープ、ディズニー、ニューウェルなどの成功企業の事例をひも解きながら、有益な資源の条件、それを戦略に落とし込む方策などについて解説する。なお、本論文が最初に翻訳掲載されたのはDHBR1996年7月号である。
Source: ハーバード
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