フィデース通信3
オーケストラの弦楽器の場合二人一組で座ることが通例です。ヴァイオリンでいうと一番前で指揮者に近い席に座っているのがコンサートマスターです。コンサートマスターは指揮者の意図をいち早く汲み取り、同じパートはもちろんオーケストラ全体に合図を行う司令塔でもあります。ではコンサートマスター以外は適当に座っているかというと、実はその後ろで弾いているパート員も座る位置によってそれぞれ役割があるのです。人の性格が違うように、楽器の弾き方も十人十色です。バリバリ弾くタイプもいれば、合わせるのが得意な人もいます。また客席に近い側が表、内側が裏と言いますが、同じパートでも表と裏で違う音を出すことが多々あります。このようなことから誰と組み合わせるのか、表・裏や配置はどうするのか、決める際にそれぞれの特性を把握しておく必要があります。したがって、コンサートマスターやパートリーダーは各個人の音色や弾き方、特性を分かっていなければ考えることができません。この曲にベストな配置や組み合わせは何か、戦略的に考えているのです。このことは企業や各種団体でも参考になるのではないでしょうか。社内にどのような人材がいるか、把握していないと人材戦略は成り立たないということです。これまでのように個々人の学歴・職種などの「属性」ではなく、趣味や長所などの「特性」を可視化することが大切です。例えば、優秀な社員を幹部候補に育てるためにそ
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