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【独立のリアル】<序の章 No.09>経営という学問は学べても、経営の本筋は学べない

 筆者は二〇〇五(平成十七)年十一月より、メールマガジ「S/magazine」のなかで「起業アドバイザー便り」を発信してきました。これは、一九九〇(平成二)年バブル経済崩壊以降の世間に長らく蔓延している「失われた二十年」の閉塞感を打破し、独立・起業を通してこれから自らの人生を切り拓くべく挑戦魂を燃えたぎらせている若い人たちに対して、大いに期待したいものと思ったからです。 狙いはそもそもその入り口たる独立・起業の初歩的な事柄を、幅広くアドバイスするためでした。それも十年間、一二五ヶ月にて終了し、最終的には二〇一六(平成二十八)年四月にアントレプレナーに贈る『起業百話』として取りまとめ、発刊しました。 はるか昔に筆者自身が起業をした当時のことを振り返えると、当時は若く未熟さもあり、あまり前後のことを深く考えず、ただがむしゃらに突き進んできたように思います。目の前の課題に対して、全力を傾けることだけを念頭に進んできたように感じます。 こうして今、創業五十余年が経過し、事業のフェードアウトのなかにあり、これまでを多少とも冷静に周りを見渡せる状況になってわかることは、・経営という学問は学べても、経営の本筋そのものは学べない・経営は「事上磨錬」(じじょうまれん/実際に行動や実践を通して、知識や精神を磨くこと) ということでした。それゆえに、本書が経営実学を踏まえて、筆者の起業の原点を改めて見つ

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