「現在の食と農を良くしたいと思うなら、食と農がガッチリ組み込まれている資本主義経済のカラクリをを理解しなくてはいけない」本書は、もっと早く読んでおきたかったと悔やまれるほど震えるっ冊。岩波ジュニア新書おそるべし。時間がなくても1日1頁でも読まないことには進まない。 生きるために必要なモノを自給できない人たちという「市場」ができたことから、そこへ「商品」を供給するため、農業は売るための商品作物を大量生産する産業へと変わり、農産物は食品製造業の原材料へと変わり、それを貿易・商取引する流通業が発展し、こうして大量生産された「食べられる商品=食品」が労働者の食事となる。つまり、いくつもの産業が組み合わさった「資本主義的食料システム」が形成され、資本主義経済の一角としてその発展を支えてきたということです。 労働者たちの胃袋を植民地や新世界で大量生産した砂糖や小麦などで安く手っ取り早く満たし、低賃金で長時間働かせながら、企業が互いに競争して発展してきた資本主義経済は、やがて、「商品」を作りすぎて売れなくなって破綻するという時代に移っていきます。
平賀緑『食べものから学ぶ世界史 人も自然も壊さない経済とは?』岩波ジュニア新書、2021年、48頁。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
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