清航館通信 2024年2月号
Topics1前回、空き家を劣化から守るためには定期的に見守る「放置しない仕組みづくり」が重要だと書きました。今回はその続きとなる空き家の活用方法について書きます。空き家活用で問題になるのが、傷んだ空き家を貸せる状態まで改修する工事費です。費用の回収を急ぎ家賃を高くすると入居希望者が集まらない恐れがありますので、適正な家賃設定を考えて工事予算を決める必要があります。工事の見積書を見て活用を思い留まってしまうのも理解できます。地域課題について勉強すると、空き家再生は面倒な問題が山積していることが分かります。中でも改修工事費用と家賃設定は「貸す側」と「借りる側」だけでは解決できない厄介な課題です。例えば、「空き家所有者」に移住希望者を引き合わせ、改修工事の手配まで手伝ってくれる「第三者」がいるとします。地域の将来を考えると、この「第三者」はいい仕事をしているように思えますが、「貸す側」と「借りる側」の間の工事で利益を上げます。仮に入居者が数年で退去した場合の工事費は所有者が負担しますが、「第三者」に損失はありません。何だかずるい話ですね。非常に規模が小さいですが遊休不動産の事業化ですので、この「第三者」は事業に出資するのも選択肢だと思います。事業が軌道に乗れば収益が見込めますので、真剣さが違ってきます。「貸す側」と「借りる側」のそれぞれの思いを聞き取り、落としどころを見つけて責任ある立
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