「なぜなぜ分析から見た製造現場の課題」
深夜の工場で、また一つの機械が停止した。若手作業員が慌てて対応するが、結局ベテランを呼び出すことに。こういった光景が、最近増えている。職場のリーダーとして「なぜなぜ分析」を導入しようとしたが、現場の実態は厳しい。人手不足で、日々の業務に追われる中、分析どころではない。それでも、この状況を変えなければ、という思いから、現場で起きている問題を「なぜなぜ分析」の視点で見つめ直してみた。なぜ、若手は機械の異常に気づけないのか?- 経験が足りない- 教える時間がない- マニュアルが不十分なぜ、教える時間がないのか?- 人手が足りない- 生産ノルマに追われている- 残業規制で時間的余裕がないなぜ、人手が足りないのか?- 採用が難しい- 離職率が高い- 予算が限られているしかし、この分析をしても、現状は変わらない。経営層からは「他社も同じような状況です」と言われるだけ。設備保全のベテラン2名の退職も決まり、状況は更に悪化する一方だ。本来、「なぜなぜ分析」は問題解決の有効なツールのはず。でも、分析して原因が分かっても、それを解決する余力が現場にない。これが今の製造現場の現実だ。50年の歴史を誇る工場が、少しずつ疲弊していく。ベテランの技能は、伝承されないまま失われていく。若手は、必要な経験を積む機会すら与えられない。経営者への問いかけ。なぜ、対策を先送りにするのか?なぜ、現場の声に耳を傾けないのか
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