今、身の回りで起きているメンタルヘルスの潮流とERGの取り組み
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イラスト:渡邊はるか
「何事にもやる気が湧かない」「眠れない」「眠りすぎてしまう」「気分が落ち込む」。腹痛、頭痛、吐き気など原因不明の身体症状が続いている……。
あなたは、このような経験をしたことはありますか。また、同僚からこのような経験について、相談を受けたことはありますか。こうした心身の不調は、仕事や家庭、プライベートなどさまざまなストレスが起因となり、誰にでも起こる可能性のある症状です。
2003年に実施された厚生労働省の調査によると、うつ病や双極性障害などの気分障害の生涯有病率は9.0%で、約11人に1人の割合です。20年以上たった現在では、さらに身近なものになってきているのではないでしょうか。また、診断名のつかない不調もたくさんあります。しかし、メンタルヘルスの不調は、何となく人に相談しづらく、つい我慢してしまうことが大きな課題となっています。
ストレス社会と言われる昨今、メンタルヘルスケアに取り組む企業も増えています。電通では、自社グループ内のメンタルヘルスの不調経験者やサポーター、大学などで心理学を学ぶ社員が自発的に集まり、2021年に有志の「電通メンタルヘルスラボ」がスタートしました。最近では、社内でもERG(従業員リソースグループ、社員による自発的なコミュニティ活動)のひとつに位置づけられ
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