続 知財マネージャーの役割
知財マネージャの仕事は、メンバーが「優れた特許」を取得するのを待つことではない。また、メンバーを育成して「優れた特許」の取得確率を上げることも、最重要の職務ではない。だとしたら、知財マネージャーの仕事とは一体なんだろうか? もちろん、企業の中での役職者ともなれば、組織運営に関わる報告や相談が山のようにある。ともすれば、会議に出て報告書を書いて決済することだけが毎日の仕事になってしまいかねない。そこには創造性など微塵もない。よく言われている、「企業体質の変革」やら、「長期的な事業課題への対処」とか、「メンバーの力を最大限引き出すためのチームビルディング」など、マネージャに求められている理想の姿は、彼にとっては違う惑星の物語だ。 それで、「“今”自分にできることは何か」に目を向けると、どうしても近場の課題に振り回されてしまう。「(深く議論したわけではないが)重要だと言われている発明」の出願・権利化や、「パテントクリアランスで最近引っかかった問題特許」に采配をふるうことで、せめてもの役割を果たした気になるのだ。 知的財産部門における事業貢献のあるべき姿とは何だろうか? ここまでの話を総括すれば、「強い特許」に頼るのではなく、「それなりの特許」を駆使しながら、事業競争を多少なりとも優位にすることが、その役割だと言える。しかし、それはどうすれば実現できるのだろうか?ヒントは幾つか挙
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