すべての管理者が、同じ仕事を同じ流儀で行なうわけではないことは、わかりきったことである。しかしながら、管理の本質的な課題や目標が、どんなものでも同じというわけではないという事実は、あまり認識されていない。
実際、2つの主要な管理システム――技術型(テクノクラティック)と政治型(ポリティカル)――は、互いに大きく異なっている。そのため、メンバーに与えられる暗黙の契約、メンバーの出世経路(キャリア・パス)、組織機構の活用、目的の選択、資源の配分などの点において、一貫した相違がみられるのである。
この分類のしかたは、決して理論的な興味にもとづくものではない。現実にこれら2つのクイプの管理者が互いに折衝の相手となることは多い。その場合、産業界の管理者は対応する政府機関の管理者と相対することになるが、多くの場合に、2つのシステム間に衝突が起こり、不幸な結果をもたらすのだ。とりわけ、技術型組織の政治型化という結果を生み出すのである。著者は、このような結果を描き出すだけでなく、それがなぜ起こるのか、また、将来このようなことを起こさないために何ができるか、を理解するための概念的な枠組を提示している。
Source: ハーバード
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