"整理は伝染する"
整理は伝染する本業では通信インフラの保守を担当する仕事をしている。通信業界は昔から日々進化を遂げ、新しいサービスや機器が次々と導入されている。その結果、倉庫には役目を終えた機器や、未開封のまま数年、場合によっては数十年も放置された物が散らかっている状態だ。厄介なのは、会社の物品は個人貸与のものもあるが、大半は共有物品であること。これが問題をさらに複雑にしている。誰もが「誰かが片付けてくれるだろう」と考え、自分の責任ではないと感じる傾向が強い。誰かが片付けない限り、物で溢れかえったこのそ環境は永遠に変わらないのだが、そうした感覚に慣れきってしまう人も少なくない。自宅の整理と職場の整理には、明確な違いがある。それは、物の要不要を自分だけの判断で決められないことだ。家なら自分のものだから、何を捨てるか、何を残すかは自分次第。しかし、職場では物の役割や用途、誰が使っているのかといった複数の視点が関与する。そのため、物が溢れる職場環境は、なかなか整理が進まないのが現実だ。さて、ここ数年よく耳にする「DX」(デジタルトランスフォーメーション)だが、これもまた、職場環境の整理と密接に関係していると感じる。整った環境でDXを進めるのと、物が溢れた環境でDXを推進するのとでは、効果が大きく異なる。新しいツールやシステムが次々に生まれ、効率化が叫ばれている現代だが、もしそのツールを有効に活用するための
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