ゼロックスは2009年に、初のアフリカ系女性トップ、アーシュラ・バーンズをCEOに任命し、大過なく、後継者へのバトンタッチのプロセスを終えた。それは偶然の出来事ではない。去ってゆくCEOが約10年を費やして、移行が円滑に行われるように取り計らったのだ。元会長兼CEOアン・マルケイヒーによれば、例外はあるにしろ、CEOは10年以上続けるべきではないという。リーダーの地位を譲らないと、会社に不利益を及ぼすことになる。とはいえ、バトンタッチがけっして簡単だったわけではない。だれもそのロード・マップを持ってはいないし、何を期待すべきか、どう準備したらいいかを知る人もいない。また、引き継ぎの過程は、大きな影響を与えずに自分がいなくなるように設計されるため、それを受け入れることは容易ではない。しかし、権力と責任を手放すのは難しいが、未来のCEOにその役割を負う準備をさせるためには欠かせないことなのだ。
Source: ハーバード
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