Xは世界的な広告業界団体を法廷に引きずり出し、広告主らと共謀したと訴えた。もちろん広告業界はこの主張にはまったく根拠がないとしている。
しかしXの典型的なやり方は、完全に筋書きからはずれた展開となった。企業広報からのプレスリリースもなければ、ソーシャルメディア上での声明もない。その代わりにXは、CVSヘルス(CVS Health)やマース(Mars)、オーステッド(Orsted)、ユニリーバ(Unilever)などのメンバーを抱えるグローバル・アライアンス・フォー・レスポンシブル・メディア(Global Alliance for Responsible Media、責任あるメディアのための世界同盟、以下GARM)と、その背後にいる業界団体の世界広告宣伝業連合(World Federation of Advertisers、以下WFA)に対する訴訟を発表したのである。
XのCEOであるリンダ・ヤッカリーノ氏はまるで人質映像のような動画に登場し、このような事態に至った経緯を説明した。
広告主を取り戻すには逆効果?
8月6日に提訴されたこの連邦訴訟は、イーロン・マスク氏が2年ほど前にX(旧Twitter)を買収して以来物議を醸している億万長者と広告主とのあいだで続く対立のなかで間違いなくもっとも突拍子もない展開である。この対立の膠着状態に対するマスク氏の対応は? 広告主が出稿をや
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