一般的に事業活動により得られる利益額は、特許ライセンスにより得られるロイヤリティよりも遥かに大きい。特許で事業の負けを補おうとする活動は割に合わない、とは以前から述べられてきたことである[i]。1980年代に起きた日米半導体摩擦は、結果的に日本の半導体産業を弱体化させることになっただけでなく、米国の半導体産業を守ることもできなかった。ここで言う「米国の半導体産業」とは、当時の主流産業であり、貿易交渉の中心であったDRAMを指す。日本の追い上げにより急激な市場シェア低下に苦しんだ米国企業のひとつが、Texas Instrument社である。TIは劣勢に立ったビジネス環境を打開するために、1986年に日本企業を特許権侵害で提訴した。日本企業はTIの強力な特許群に苦戦し、多額のロイヤリティを支払って和解せざるを得なかった。しかし、TIのシェアは知財係争後も回復することはなく、間もなくDRAM事業から撤退することになった。低すぎるロイヤリティ・レート続きをみる
Source: Note 起業ニュース
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