C. K. プラハラッドと本稿筆者の一人ベンカト・ラマスワミは2000年、HBR誌上に、顧客と企業の新しい関係を表す「共創」(co-creation)という概念を紹介した。共創の前提は、「経験を共有することで、すべての関係者が相手側で起こっていることを深く理解し、双方にとってよりよい新しい経験を考え出すことができる」というものである。その後、多くの企業が「顧客との共創」を受け入れてきた。しかし、エンド・ユーザーのために新しい経験を生み出すには、顧客の経験を直接的、間接的にかたちづくる、社員、サプライヤー、販売業者、NGO(非政府組織)、規制当局といった、他のすべてのステークホルダー(利害関係者)の経験を改善しなければならない。共創型事業を実践する企業は、生産性や創造性の向上、コストや離職率の低下、新しいビジネスモデルおよび収益源を獲得できる。そして、インドのコングロマリットでITCがアグリ事業で実証したように、途上国で有効なビジネスモデルを生み出すことも可能である。
Source: ハーバード
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