40億人に上るピラミッドの底辺の人々の生産活動は、世界経済のほぼ3分の1を占める。この層を構成する人々にとっての価値とはどのようなものか、経営者は全力を傾けて学ばなければならない。企業にとって、貧困層(base of the pyramid)を相手にするリスクは高いが、自社の経済的成功と顧客層の経済的成功とを結びつければ、多くの利益を上げることができる。一方で、貧困層の人たちを一律にとらえて理解しようとすると、大きな過ちを犯すことになる。本稿では貧困層を3つのセグメント、すなわち(1)低所得者層、(2)最低生活層、(3)最貧困層に分類し、それぞれの層に適切なビジネスモデルを提供することで、私的価値と公共価値を生み出しつつ、規模の経済も目指す戦略を提案する。ケニアにおけるサファリコムの送金サービス〈M-ペサ〉、インドにおけるヒンドスタン・ユニリーバの女性販売員の積極活用といった貧困層ビジネスの成功事例も紹介する。
Source: ハーバード
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