経済価値と社会価値を同時に追求し、それぞれを最大化する取り組みが世界じゅうで進められているが、そのなかで、社会起業家たちの間では「共益企業」というツールが広がっている。現在、残念ながら、法律や税制の問題から、企業を立ち上げる時には営利か非営利の二者択一を強いられる。その結果、所期の目的がズレたり、組織運営が複雑化したり、経営資源を浪費したりするはめになる。共益企業はこのような現状に一石を投じるものである。まだそのような制度的制約があるとはいえ、アメリカ医療保障制度改革の議論のなかで浮上したCOOP、水素燃料電池自動車メーカーのリバーシンプル、社会投資を実践するアップストリーム21、フェア・トレードによってコーヒー製品を製造・販売するカフェダイレクトなどは、制度の間隙を縫って、まさしく共益企業を実現している。そして、イギリスやアメリカでは、「コミュニティ・インタレスト・カンパニー」「限定利益合同会社」「ベネフィット・コーポレーション」「フレキシブル・パーパス・コーポレーション」など、法的に共益企業を認める動きも出始めている。
Source: ハーバード
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