世界経済はこれまで市場資本主義の普及とともに著しい発展を遂げてきたが、金融危機など憂慮すべき事態も生み出してきた。世界の産業界や政府のリーダーへの調査を行ったところ、グローバル市場資本主義の長期的な持続可能性が最大の関心事であった。しかし現行システムは脆弱な金融システム、移民問題、環境悪化など、さまざまな破壊的要因の相互作用により、崩壊の危機に瀕している。こうした深刻な課題への対応を問うと、リーダーたちの見解は「従来通り」「傍観者」「革新者」「活動家」という4つの立場に分かれた。市場システムを支えていくためには、産業界の積極的な関与が不可欠である。破壊的要因の影響を軽減させるべく、企業が起業家的なリーダーシップを発揮していく必要がある。実際に、技術と優れたマネジメントで、こうした課題に取り組む企業も存在する。そうした企業が増えていけば、社会の富を創造するシステムとしての市場資本主義は維持されるはずである。
Source: ハーバード
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