20年前のサムスンは韓国の低コストOEMメーカーであり、グローバル企業に飛躍すると予測した人はほとんどいなかった。過去20年の経営モデルは、日本的経営を基本としつつ、そこに欧米流の経営慣行を接ぎ木することだった。これほど相容れない経営モデルはないように見えるが、サムスンは日本型経営システムを展開しながら、しかも、生え抜きの韓国人社員のみが昇進する閉じたシステムのなかで欧米企業の優れた経営慣行を導入するという、従来の常識では考えられなかった経営モデルの結合に成功した。海外で実績を積んだ人材の登用に当たって、既存社員の拒否反応をいかに鎮めていったか。その際に気をつけるべきことは何か。急成長を遂げる新興国の地域スペシャリストをいかに育成するか。真のグローバル企業への脱皮を企図して推し進められたサムスンの自己改革の軌跡は、今日の企業が学ぶべき重要な教訓を示唆している。
Source: ハーバード
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