不安定な環境下でも長期的に着実に成長を続ける高業績組織とは、どのような企業だろうか。調査によれば、売上高や利益を10年連続で毎年5%以上伸ばしたアウトライヤー(異例値を示す)企業は驚くほど少なく、その成長の理由は通説に反して、業界、規模、本拠地、操業年数、グローバル化の度合いなどでは説明できない。これらの企業に共通するのは、積極果敢な側面と安定重視の側面を合わせ持つことである。投資は早期に小さく行い、積極的な買収策を取る。主要な資源配分を一元管理し、日々の業務にイノベーションを組み込むなど、迅速かつ柔軟に動ける体制にしている。その一方で、企業文化や共通の価値観を重視し、急激な事業再編は回避する。優れた人材を手放さず、経営者は内部昇格者である。そして、安定した顧客ベースを持ち、基本戦略は安易に変更しない。本稿では、このような2つの矛盾した特徴がいかに安定した成長につながるかについて、該当企業の事例を用いながら解説する。
Source: ハーバード
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