いまや経営にデータは欠かせない。戦略の立案に際しても、数字やデータを徹底的に分析した「科学的」根拠のあるものほど説得力が増す。その一方で、科学的分析からは、大胆な発想や「型破り」なユニークな戦略が生まれない。このジレンマをいかに解消すべきであろうか。筆者らは本稿で、事業戦略のニーズに合わせて科学を取り入れる手法を紹介する。この手法ではまず、戦略上の課題や機会に対応して、「シナリオ」と呼ぶ明快な仮説を立てる。次に、おのおののシナリオが成り立つためには、どのような条件が必要かを探る。その後にようやく分析を行い、最も成功しそうなシナリオを見極める。こうすると、データ一辺倒でもなく、現実性に乏しいアイデアでもない状態を脱して、本当の意味で科学的な戦略立案を実践できる。これらの手法を主にプロクター・アンド・ギャンブルの事例とともに紹介する。
Source: ハーバード
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