厳しい競争環境の下、多くの企業が魅力的な投資収益率を達成できずにいる。マイケル・ポーターに代表される戦略論では、戦略担当者は競争の緩やかな場所に機会を探すべきだとされている。その結果、どの企業の戦略担当者も同じような考え方で市場要因を分析し、同じような機会を認識して、しのぎを削っている。その一方で、「認知的に遠い」機会は見逃してしまう。あるいは、有望な機会に気づいていても、従業員の抵抗に遭って実行に移し切れなかったり、外部のステークホルダーに対して正当化できなかったりする。そこには、自分や他者の心的表象を操作することの難しさという、心理的な要因が絡んでいる。戦略リーダーは経済的側面の分析だけでなく、心理学的側面にもっと注意を払う必要がある。特に、直観的な連想に意識を向け、体系的に連想思考を活用することにより、認知的に遠い機会を発見したり、社内外の関係者に対して適切な連想を想起させ関与を促したりすることが可能になる。
Source: ハーバード
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