経済学史から見ると、地球環境を守るための理論には2つの系譜があるようだ。1つは19世紀初めの経済学者、トーマス・マルサスが提唱したような「抑制」の考え方である。マルサスは人口増加と食糧不足による貧困と破滅というシナリオを示し、それを防ぐために人口の抑制を説いた。現代のマルサス主義者たちは、活発な経済活動によって資源が枯渇し、環境悪化がもたらす破滅への道に警鐘を鳴らし、それを避けるために資源利用の抑制を主張する。もう1つが、経済成長の要因として技術進歩の重要性を説いた、ロバート・ソローに代表される理論である。ソロー主義者からすれば、地球環境の危機は「イノベーション」で乗り越えられるのだ。両者はまったく対照的な理論であるが、どちらも妥当性があり、説得力ある説明と予測を提示している。しかし、たとえば京都議定書のように、両者を単純に共存させようとした試みはいずれも、混乱と機能不全をもたらしただけである。では、この2つの考え方をどのように選んでいけばよいのか。これら2つの考え方による取り組みをそれぞれ紹介しながら、これからの構図を示す。
Source: ハーバード
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地球を救う2つの論理 – バックナンバー
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