20世紀の起業といえば、先進国において才能ある個人が資本を引きつけ、大きなビジネスを生み出すものであった。AT&Tしかり、マイクロソフトしかりである。ところが近年、多くの産業で参入障壁が崩壊しつつあり、小規模な企業の前にもチャンスが広がっている。この傾向は特に新興国で顕著であり、しかもインドやブラジルなどのBRICsばかりではない。新興国市場での起業家活動を支援するオールワールド・ネットワークの調査によれば、巨大な経済団体や多国籍企業、あるいは王族などの特権階級が牛耳っているように思われる、中東・アフリカなどの地域においても、起業家の活動が活発化しているという。本稿では、これら地域を中心に新興国の起業家たちを分析し、彼らの成長の原動力は「起業集約度」(一人の起業家が次々に起業し、成功させる)の高さにあると論じ、さらに彼らの成功を後押しするためには、こうした状況をもっと広く知らしめることだと論じている。
Source: ハーバード
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