顧客の態度や行動に影響を与える要因を探るため、マーケティング担当者は、フォーカス・グループ、ネット調査、行動観察など、さまざまな手法を試みてきた。しかし、顧客の不正確な記憶に依存する、対象層が限られる、コストが高いなど、各手法につきもののバイアスや欠点に悩まされてきた。その解決策となりうるものが、リアルタイム・エクスペリエンス・トラッキング(RET)である。これは、顧客が調査対象のブランドと接触するたびに、携帯電話を用いてすぐにその場で情報を送信してもらうものだ。コストが安く、多くの対象者の反応をリアルタイムで把握できる調査手法として、多様な業界で2年間に75万件以上のRETデータが収集されている。本稿は、その結果を踏まえて、RETの実施方法、設計上の留意点、データ分析で明らかになる購買決定要因やタッチポイントの影響度、リアルタイムで得た情報の活用法などを紹介する。
Source: ハーバード
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