20世紀の先進国において、雇用者と被雇用者の間で交わされた雇用協定は安定性が重要視されていた。キャリアは一種エスカレーターのように進むものであり、社内ルールに従う従業員には予想通りの昇進が与えられた。一方企業の側も従業員の忠誠心と低い離職率を享受できた。しかしグローバリゼーションと情報化時代の到来により、雇用の安定性は失われ、間接的に従業員の起業家精神を高めるインセンティブを与えることになっている。本稿では、雇用者と被雇用者の新たな雇用協定について考えていく。従業員に終身雇用を与えていては機敏な会社になれないし、そもそも最高の人材は一生一つの雇用者に仕えることなど望まない。雇用者と被雇用者の関係がすでに新たな形態を取り始めたシリコンバレーの状況を踏まえ、両者が同盟者としてお互いの成功を助け合い、価値を高める新たな関係について論じていく。
Source: ハーバード
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