日本の多国籍企業はこれまで、新興国の変化のスピードを過小評価していた。しかしいまや先進国の成長は鈍化し、新興国市場で成功を収めなければ、企業の成長は見込めない。新興国市場の地元企業や海外の多国籍企業はこうした変化に素早く対応するが、日本企業はほとんどが(1)ミドル・レンジおよびローエンド・セグメントの市場を嫌い、(2)合併・買収(M&A)に消極的で、(3)財務的にも組織的にも新興国市場へのコミットメントを避け、(4)人材のしかるべき配置を怠ったため、身動きが取れない。この4つの構造的な課題を乗り越えて、新興国市場で成功を収めている日本企業がユニ・チャームとダイキンだ。本稿ではこれらの企業の事例を中心に、日本企業が新興国市場で成功する方法を考える。
Source: ハーバード
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