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とうとう出版社を退職しました⑥

出版社が倒産した大阪に向かう新幹線の中だった。facebookのメッセンジャーに「おまえの会社倒産したぞ」とライターの友人からdmが届いた。風の噂で以前僕が勤めていた出版社からの支払いが滞っているというようなことは聞いていたが、ついにこの日が来たか・・という気持ちと同時に、なんとか全ては無理でも一部だけでもいいから雑誌やスタッフを救うことができないだろうか?という思いが込み上げてきた。いや、そんなかっこいい思いばかりではなかったかもしれない。あの天然生活を自分のもとに取り戻すことができるかもしれない!そんな思いの方がもしかしたら強かったかもしれない。 偶然にも在籍している出版社では過去に、倒産した出版社から雑誌やスタッフをまるごと引き受けた実績があった。新幹線から財務担当の役員に電話をし事情を説明すると「すぐに管財人に連絡を取ってみて」と指示がとんだ。出版不況が叫ばれて久しい時代、とくに広告収益に頼る雑誌が苦境に立たされるなか、広告収益モデルではない天然生活は根強いファンに支えられ底堅い実売数を誇っていた。僕自身は自分で産んだ雑誌だから辞めたあとも売り上げ動向を注視してだいたいの数字は把握してはいたのだけれど、電話連絡してすぐにデータをチェックし「これはいける」と踏んだ担当役員の判断はさすがだった思う。しかし、それほど成績が悪くない雑誌を抱えながらなぜ業績が悪化してしまったのか・・

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