ファスナーの世界トップブランドYKKは、新型コロナウイルス感染症によるアパレル市場の低迷で、初めてファスナー販売数量が100億本を突破した2018年度から一転、2020年度には77.9億本に減少するという危機に見舞われた。しかし、同社の大谷裕明社長は、コロナ禍のような状況下でこそ持続的な成長のために、同社の「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という経営哲学「善の巡環」に立ち返り、顧客の利益、社員の幸福、社会への貢献を重視する経営を行うと決断したという。本稿では、現在、グループにおいて72カ国・地域で事業を展開し、ファスナーをはじめとするファスニング事業で約3800億円の売上げを生み出す、海外生産比率9割超のグローバル企業であるYKKが、「善の巡環」をもとに目的意識を一つにし、海外を中心に持続的な成長を実現する戦略について大谷社長に話を聞く。
Source: ハーバード
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