天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿-2
なぜ、社長の責任は重いのか(2-1)従業員は常に社長の言動を注目している。従業員からみれば、社長はその組織体のトップに立つ長であり、社長の考え方や手腕によって会社の将来が左右されてしまう。このような会社の舵取りを行う権限と責任を従業員が認めているからである。 従業員は社長の言動の一言一動が将来の行方を方向づける力があることを認め、常に会社の将来に対し希望や憂いを抱いている。だから、業界の動向を探ったり、時にはボーナスや昇給、昇格を同僚や同業他社と比較し、良し悪しを比べてみたりする。従業員は常に自社や競合他社、そして業界の動きや競合相手などもアンテナを高くして情報収集しているのである。 また、中小企業の社長は自社株の50%を超える筆頭株主の場合が多く、その会社の所有者である。このことは、会社で起きる良いことも悪いことも、その原因と結果についてはすべて社長の責任であることを意味している。大会社の株主はその人数も多く、しかも有限責任であるので自ら出資した範囲以内での責任しかない。 しかし、小規模会社の株主の実態はどうだろうか。例えば、借金を有すれば社長の自宅などが担保となったり、連帯保証人となって大きな責任を負わされるのが一般的である。当然、借金を返すことができなければ自宅などは競売にかけられ失うことになり、会社で起きるすべての責任を負うことになるのである。 その責任の裏返しとして社長に
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