中田たかしの非連続な成長曲線 - 人生の転機編 –
お客様に価値を提供するということ中田さんがHPに入社して5年が経っていた。この頃中田さんは大阪で大手電機メーカのS電気とM電工を担当し、異なるビジネス領域で大きな成果を出していた。その一つがHPで昔から脈々と続いていた半導体の製造実行システムでMES(Manufacturing Execution System)と言われる領域である。台頭する新興勢力を阻みながら売り上げて行った。新入社員編で紹介したF社独占契約の一部を無理やりもぎ取った商談もこれである。もう一つは、新しいビジネス領域へのチャレンジだ。当時は外資系のアリバという間接材調達システムが日本に進出してきたばかりの頃だった。間接材とは製造業において原材料や部品などの直接材に対し、それ以外の生産に必要な消耗品や工具などをいう。その頃直接材の電子調達の必要性と効果については色々と言われていたが、間接材はまだ誰も目をつけていなかった。間接材は束ねるとそこそこのボリュームがある、コストダウンの効果はバカにならない。HPではまず社内で間接材調達の標準化や統合を進め、その事例を踏まえてお客さんに提案することになった。中田さんはこれを担当のM電工に提案することした。まず、情報システム部門に話を持って行った。知り合いの情シス担当者からは「面白いけどうちでは無理だよ。そもそも間接材は各部門や工場が自由に発注していて統括する部署がない」と言われ
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