「くすりの楽しさ」で創薬の未来を変革する 第一三共のくすりミュージアム
企業ミュージアムは、「ミュージアム」というアカデミックな領域と「企業」というビジネス領域の両方にまたがるバッファーゾーンにある。そして運営を担う企業の広報、ブランディング、宣伝、人事などと多様に連携する組織である。本連載では、企業が手掛けるさまざまなミュージアムをPRのプロフェッショナルが紹介し、その役割や機能、可能性について考察したい。
東京都中央区の日本橋本町は大阪・道修町(どしょうまち)と並ぶ「くすりの街」である。第一三共がこの歴史ある地で運営する「Daiichi Sankyo くすりミュージアム」はくすりについて楽しみながら学ぶことができる施設だ。日本橋地域の活性化に貢献することを目的としながら、くすりの大切さや創薬の重要性についての情報を発信する同ミュージアム。その未来的でユニークな施設を通し、第一三共が企業市民として取り組む活動について考察していく。
取材と文:林 紅(電通PRコンサルティング)
「くすりの街」の体験型ミュージアム
Daiichi Sankyo くすりミュージアム 2階展示スペース(写真提供:第一三共)
江戸時代に城下町として栄え、近年では都市開発で高層ビルが続々と誕生した、東京・日本橋。伝統と近代性が融合するこの町の中で、中心地域の役割を担った本町エリアは、かつて徳川家康から薬種問屋街に指定された歴
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