アドテク業界のCTO(最高技術責任者)にはつらい時代だ。彼らはいま、難しい二者択一を迫られている。
プライバシーサンドボックスに規制当局から承認が下りることを見越して、サードパーティCookieの代替技術に莫大な開発投資を行うのか。それとも、業界全体に及ぶ脱Cookieの流れから取り残される危険があっても、現状の変化を拒むのか。
どちらを選択したところで、明確な見返りは期待できない。
サンドボックス支援のために求められる膨大なリソースとコスト
「どの代替技術もそのパフォーマンスは不透明で、しかもこの小規模なテストに参加するだけでも1000日超の開発作業を要する」と、匿名で取材に応じたあるCTOは打ち明ける。
この「小規模なテスト」とは、Googleが年初にChromeブラウザのトラフィックの1%でサードパーティCookieを無効化したことを指す。取材に応じたこの人物を含め、アドテク企業のCTOにとっては長年の期待と疑念を検証する格好の機会ではあるが、それには莫大なコストと労力を要する。つまり、自社のプロダクトロードマップに並ぶ重要なプロジェクトから開発人員を割いて、2026年まで続くとされるサンドボックスのアップデート作業に専従させなければならない。
だが、これはほんの始まりにすぎない。
前出のCTOによると、このさき3年間、サンドボックスの開発作業を本格的
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