新都市論
新都市論 文明の発達と共に産業構造が変化し、かつては農業を主体とした社会は、西欧の近代産業革命の影響で生産形態が変わり、工業中心の第二次産業へと移行し、さらに現代はITを中心にサービス業が中心の第三次産業へと移ってきています。しかも、現在でも農業生産の全産業に占める割合は10%を割っています。ドラッカーは、現在の第3次産業も、いずれは第4次産業へと移行するだろうとすら予想しています。 極端なことをいえば農業が国内に消失したとしても、私達は農産物を口にしないなどということは、絶対にありません。野菜や穀物、デンプン質の素材から加工した食品を食べます。でなければ、人間は生きてはいけません。産業は高度化したといわれても、食生活のバランスをみても第一次産業の一つである農業生産物を口にしないなどということはあり得ないのです。 つまり、産業の高度化は産業構造の変化と偏在化を表しているにすぎず、特に都市化は食糧生産をみてみれば危険な状態を生み出します。そこで、国内のいまだ農業を主体としている地域から仕入れ、あるいは、漁業をしている地域から運搬して、人工的には都市に集中した都市人に食糧を供給していくしかない。ですから、輸送ルートの確保と、生産物の確保は死活問題として持ち上がってきます。それでも、国内市場で賄いきれなくなれば、国外の生産あるいは収穫地域から輸入してくることになります。これが産業が変化し
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