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経営の根幹“京セラフィロソフィ”を伝承する稲盛ライブラリー

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戦後日本を代表する名経営者、故・稲盛和夫氏(以下、敬称略)。京セラグループを売上高約2兆円、KDDIグループを売上高約5兆7千億円(いずれも、2023年3月期)に成長させ、経営破綻した日本航空の再建を果たして“経営の奇跡”といわれた。希代の名経営者が最も称賛されるのは“人間性を高めることで、事業を成功させる”という一見不確実に思えることの確実性を実証し、偉業を成し得たことだ。

本稿では、「思想家」としての稲盛和夫が考え抜いた末に帰着した“人として大切なこと=京セラフィロソフィ”の具体的行動を体感し、京セラが目指す企業人、リーダーのあるべき姿を伝承する「稲盛ライブラリー」の果たす役割を考察したい。

取材と文:櫻井暁美(電通PRコンサルティング)

“京セラフィロソフィ”希薄化の危機感から開設

京都の南東部に位置し、桂川、宇治川などの良質な水に恵まれ、古くから酒造業や農業で栄える京都市伏見区。先進的創造都市づくりを掲げる高度集積地区「らくなん進都」の中心に、京セラ本社と稲盛ライブラリーはある。ライブラリー開設の目的は「創業者 稲盛和夫の人生哲学、経営哲学である京セラフィロソフィを学び、継承すること」だ。この創業者の精神をベースにさらなる成長を続ける企

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