人類の過去1000年の歴史において、ほとんどの新発明は富める者をますます富めるようにしただけで、広く民衆への繁栄の共有をもたらさなかった。だが例外的に19世紀後半から1970年代までのあいだだけは、生産性向上と労働者の賃金上昇が結びついた。しかし1980年代以降から現在に至るまで、再びその結びつきは失われてしまっている――。
これが、MITのインスティテュート・プロフェッサーである経済学者ダロン・アセモグルとCFAインスティテュートシステミックリスク評議会の共同議長であるサイモン・ジョンソンによる『技術革新と不平等の1000年史』(早川書房)の筋書きだ。そして彼らは「生成AIの進歩が人々を豊かにする」といった類いのテクノロジー楽観主義に否定的である。技術の発展が、広く人々の所得の上昇に結びつく条件とは何なのか?
Source: 現代ビジネス
コメント