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「させない」医療から、「ささえる」医療へ

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「オリジナリティ」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく本連載。第33回は、医師という肩書きを持ちながら、「トラベルドクター」という旅行会社を立ち上げた伊藤玲哉社長に、その思いを語っていただいた。

伊藤社長との出会いは2021年。がんサバイバーをサポートするプロジェクトLAVENDER RINGの活動の一環で、LAVENDER RING DESIGN AWARDSを開催した時のこと。「がん患者や広く疾病経験者の生活の体験自体を向上するプロダクトや空間、体験をデザインしたもの」から選ぶアワードで、トラベルドクターはグランプリを獲得した。どこか人懐っこそうな印象なのだが、「社会を変えたい」という強い意志が言葉の端々から感じられた記憶がある。

トラベルドクターの設立は、2020年。スタートから3年余りが経過した。医師、看護師、介護士などで構成されるチームで、病気を抱えている方の「旅への願い」をかなえるという事業だ。「医療×旅」と言われると、なんだかコロンブスの卵のような感じがする。メス!鉗子(かんし)!汗!みたいな、ドラマで見たことのあるような緊迫した場面と、旅先でいい湯だな、はなかなか結びつかない。でも、人の幸せってなんでしょう?と言われると、なるほど、つながった!という気持ちになる。

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