つながりとファクトから読み解く食の意義と日本の食
海外で暮らす外国人中高所得者層向けの電通独自調査「ジャパンブランド調査」(概要はこちら)の最新データを見ながら、ジャパンブランド(訪日観光・日本の食・日本製品など)の現状と、今後の日本のポテンシャルを探る本連載。今回のテーマは「食」です。
<目次>
▼想像を超える食と知のつながり
▼ユーラシア大陸の東端の沖合へ
▼日本料理と日本食材の世界商品
▼うま味の理解は三者三様
▼食には、周辺領域とのペアリングとストーリーテリングが必須要件
想像を超える食と知のつながり
一日三食。そんな当たり前のように習慣化されている食には、いくつもの知られざる壮大な物語が眠っています。2400余年前、古代中国で諸子百家が誕生した背景は、「食客」の存在を抜きにして語ることはできません。食客とは各地の権力者の邸宅に居候する人たちのことです。食客三千という四字熟語があるように、有力者たちはおのおのが抱えている食客の数を競い合い、衣食住を保証する代わりに、いざという時のブレーンまたは助っ人になることを期待すると伝えられています。今日的に解釈すると、多様性あふれるインクルーシブなジョブ型組織のように思えます。
「衣食足りて礼節を知る」という言葉が表しているように、生存の前提となる食料が足りてからはじめておのおのの内面や才能に向き合い、思う存分に開花さ
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