カンヌ、審査の舞台裏を語る
「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」が、6月19日から23日までフランス・カンヌで開催されました。世界最大規模のクリエイティビティの祭典は、クリエイターの目にどう映ったのか。受賞者、審査員、プレゼンター、さまざまな立場でカンヌに関わったクリエイターたちが、それぞれの視点で、カンヌの「今」をひもときます。
第3回は、インダストリークラフト部門の審査員長を務めた、電通 zero エグゼクティブ・クリエーティブディレクター八木義博氏へのインタビュー。審査する側の立場から、カンヌはどのように見えていたのか。実際の審査の舞台裏はどうなっていたのか。審査員長の役割、審査の過程の様子、日本と世界のクリエイティブの違いなどについて聞きました。
審査結果は、世界に向けてのメッセージ
──今年のカンヌライオンズ、現地の様子はいかがでしたか?
八木:昨年は、コロナ禍を経て再びカンヌライオンズでリアルに集まれることの大きな喜びがあったようですが、今年はすっかり平常運転といった様子で、各国の審査員仲間との再会から始まって楽しく過ごすことができました。
全体の受賞作品を眺めると、どこかリラックスしてのびのびとした仕事、ベーシックでブランドに素直に向き合っている作品が多かったように感じました。この3年間で、遠い国の話が自分たち
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