PRとパブリックポリシー。「パブリックアフェアーズ」と「ブランドアクティビズム」の可能性
法律、制度、規制など、社会にはさまざまなルールがあります。
しかし、時間の流れとともに社会情勢にそぐわない状況が生まれたり、利害関係者にとって不公平を招くこともあります。一方で、ルールがないために既成事実が先行し、新たなルール策定が必要になる場合もあります。
ここでいう「ルール」とは、国レベル、自治体レベルの法律や条例といったハードローだけではありません。法律の解釈や、民間の業界団体が自主的に定めたガイドラインなどのソフトローも含みます。
本稿では法律、規制、基準など、ルール制定・改定・廃止に関わる意思決定のプロセスを「政治」と定義し、PRがどのように合意形成に貢献できるのかを論じていきます。
国家や自治体の政治をつかさどるのは行政、政府ですが、ルールメーキングの担い手は政府、自治体だけではなく、企業やブランド、業界団体、NPOなどにも及びます。これらのルールメーキングのプロセスを、「パブリックアフェアーズ」と「ブランドアクティビズム」の視点から見ていきます。
●パブリックポリシー
公共政策。一民間企業や業界だけでは解決できない構造的な社会課題について、国際機関や政府、自治体などの政策部門が主導して解決を図る、その施策や方針のことを意味します。
●パブリックアフェアーズ
企業などの組織や、その所属す
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